チンドン屋の扮装>>チンドン屋 さん休のチンドン紹介記 〜チンドン屋が道を歩けば、街は笑顔笑顔!〜

目次
第1回 自己紹介とご挨拶 [2010-01-01]
第2回 チンドン屋との出会い [2010-01-19]
第3回 プロへの転向 [2010-03-15]
第4回 大和家時代〜現在 [2011-06-06]
第5回 東京のチンドン屋の営業スタイル [2011-07-12]
第6回 チンドン屋の扮装 [2012-10-30]
第7回 うれしいこと、辛いこと [2013-06-25]

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第6回 チンドン屋の扮装 [2012-10-30]

今回は、チンドン屋の扮装についてお話しましょう。

ご年輩の方には、チンドン屋といえばカツラに白塗り、というイメージがあるようです。

実際には、カツラに白塗りという組み合わせは、歌舞伎調や芸者風といった、和装の中でも限られた役柄のものでしか使いません。


いま「役柄」と言いましたが、私は、チンドン屋の扮装(「支度」と言っています)とは、自分ではない「何か」になることだと思っています。

チンドンの衣装 新選組 暫チンドンの衣装 (写真左から)新選組 暫


ただ派手な色使いだったり、奇抜なファッションだったりするだけでは、個人の嗜好でそういう服装である人と変わりはなく、お金をもらうに値しません。

普段の自分ではない「何か」…それは「ピエロ」だったり、「サンタ」だったり、「侍」だったり、「旅人」だったり、「茶屋の娘」だったり。

役柄、すなわち設定です。世界観があることが理想です。

つまり、コスプレなのです。



近年のコスプレ流行りで、ものすごく凝った完成度の高い扮装を、趣味でやる人が多くなりました。

コスプレ用の鎧甲冑なんてものすら手に入りやすいご時世です。

私共もこの状況を大いに活用させていただく一方、プロとしてどう差異をつけるか、悩ましいところでもあります。



最近、私の中では、歴史上の人物の支度に強く興味がわいてきました。

写真の新撰組は、今年に入って用意したものです。

もう一つの写真は、私の親方・小鶴家幸太郎の「暫(しばらく)」。

もちろん市川団十郎家の歌舞伎十八番「暫」の鎌倉権五郎ですが、よく見ると細かいところが違います。

歌舞伎の本衣裳を借りたか買ったかしたのではなく、全て自作なのです。

舞台写真を見ながら製作したのでしょう。



親方はこんなスゴイことしてたんだ、と感服してしまいます。

また、細かいところが違うという点ですが、チンドン屋ならではのアレンジというものがあります。



例えば、幕末の攘夷志士だと、全体的に地味で、そのままでは視覚的インパクトがなさ過ぎます。

私なら、黒や灰色の着物と袴の上に、まず何かしら明るい色調の飾り物を付けます。

なんなら蛍光色でも。人の目が行きやすい頭に、暖色のハチマキも有効だと思います。

写真の「暫」が腰に巻いているのは、私共が「シゴキ」と言っているもので、簡単にアクセントがつけられるアイテムです。



つまり、役柄を設定した上で、なり切り過ぎず、現代の都市の路上で注目を浴びる存在としてアレンジするのが、プロのチンドン屋の「支度」だと私は考えています。

近年はチンドン屋の中で世代交代が進み、カツラを使うチンドン屋も少なくなってきました。

チンドン屋は全てにおいてそうですが、支度も、こうでなければならないという決まりごとがあるわけではなく、同業者の方々は、また各々の考えでやってらっしゃいます。

親方を第一に先輩達のやり方を見ながら、経験の中で作ってきた、私なりの考え方をお話ししてみました。

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プロフィール平成6年、東京墨田区・小鶴家に入門。
平成15年独立、「大和家」創業。
平成19年、美香と結婚、共に「チンドン芸能社」を創立。
日本舞踊小町流・永寿郎。
サムライ日本流チャンバラ道場初段。
東京演芸協会会員。

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